・「面接で『実際の仕事の様子を知りたい』と言われるが、現場を毎回案内するのは限界がある」
・「入社後に『思っていたのと違う』というミスマッチによる早期離職を減らしたい」
採用担当者様から、このようなお悩みをよく伺います。求職者は、綺麗なだけの会社紹介動画よりも、泥臭さも含めた「リアルな働く姿」を求めています。
そこで今、注目されているのが「社員密着動画(ドキュメンタリー動画)」です。
本記事では、YouTubeで見られる優れた採用密着動画の事例を7選紹介し、なぜその動画が心を動かすのかをプロの視点で解説します。さらに、記事の後半では、そのまま使える「失敗しない構成テンプレート」や、社員の本音を引き出す「インタビュー質問リスト」も公開します。
目次
1. 採用動画は「密着」が最強!ミスマッチを防ぐ3つの理由
採用活動において、なぜ「密着動画」がこれほどまでに効果的なのでしょうか。その理由は、求職者が抱える「不安」を解消できる唯一のコンテンツだからです。
1-1. 面接や説明会では伝わらない「現場の空気感」を可視化
テキストや口頭の説明だけでは、「職場の雰囲気」や「社員同士の距離感」は伝わりません。密着動画であれば、オフィスの雑音、電話の音、社員同士の何気ない会話など、「空気感」そのものを疑似体験させることができます。
1-2. 良い面も大変な面も伝える「リアル」が信頼を生む
「うちは良い会社です」とアピールするだけの動画は、今の求職者には響きません。むしろ、「仕事の厳しい部分」や「壁にぶつかる姿」も見せることで、「この会社は嘘をついていない」という信頼感が生まれます。これをRJP(リアリスティック・ジョブ・プレビュー)と呼び、ミスマッチ防止に極めて有効です。
1-3. 会社見学レベルの疑似体験で志望度が上がる
社員の1日に密着した動画は、実質的に「オンライン会社見学」です。求職者は自分がそこで働いている姿を具体的にイメージできるようになり、結果として志望度(熱意)が高まります。採用担当者の工数をかけずに、深い理解を促すことができるのです。
2. 【事例7選】参考にしたい!かっこいい採用密着動画・Vlog
ここからは、実際にYouTubeで公開されている優れた密着動画をピックアップして解説します。演出や構成の参考にしてください。
2-1. 【人間関係・社風】上司や同僚との距離感が伝わる事例
① 上司との関係性がリアルに見える事例
https://youtu.be/xZGI2OfW-2U?si=7GrQLtNHdFyeyUfn
【ここが良い!プロの視点】
この動画の最大の魅力は、「上司」が登場している点です。密着動画において、対象社員だけでなく上司が出演することで、「普段どのようなコミュニケーションをとっているか」「失敗した時にどうフォローされるか」が一目で分かります。求職者が最も不安に感じる「人間関係」を、言葉ではなく映像で見せている素晴らしい事例です。
② 株式会社ネオキャリア:新卒研修No.1社員の1日密着
https://youtu.be/tYdhm4mSR4s?si=VSsAUGbHiqv-gb72
【ここが良い!プロの視点】
テレビ番組(ドキュメンタリー)的な構成で、飽きさせない工夫がされています。特に、ただ仕事風景を流すだけでなく、「上司へのインタビュー」を挟むことで、客観的な評価や期待が伝わります。「厳しさの中にある愛」が見え、成長環境を求める学生に強く刺さる動画です。
2-2. 【仕事のリアル】業務の裏側や泥臭さをかっこよく見せる事例
③ KCCS(京セラコミュニケーションシステム):若手社員密着動画
https://youtu.be/iqKPwSVD6Uo?si=2oGBa9U_HiR2RaQ3
【ここが良い!プロの視点】
SE(システムエンジニア)と営業、2名の若手社員にフォーカスしています。オフィス内のデスクワークだけでなく、打ち合わせ風景なども盛り込み、「1日のタイムスケジュール」が非常に分かりやすい構成です。「自分がこの会社に入ったらどう過ごすか」を具体的にイメージさせることに成功しています。
④Sky株式会社
https://youtu.be/MPpJ_mtD3AA?si=27BFB5AjWqyNAcPa
【ここが良い!プロの視点】
新人の失敗や緊張を隠さず見せ、先輩の手厚いフォローや協力体制を具体的に証明しています。対面の良さや残業への配慮など、働く環境の安心感をリアルに伝え、不安を解消することに成功しています。
2-3. 【演出の工夫】スマホ視聴に最適!Vlog風・テロップ演出が光る事例
⑤ 沢山の人が登場し雰囲気が伝わる事例
https://youtu.be/o2_7hrWcoUw?si=33fhWsEnQNc-YD5o
【ここが良い!プロの視点】
「テロップが見やすい」のが大きな特徴です。スマホでの視聴を前提とした大きめの文字サイズとポップなデザインが採用されています。また、特定の社員だけでなく多くの人が登場し、仕事以外の会話も交わされているため、会社全体の「人間関係の良さ」が自然と伝わってきます。
⑥ DeNA:2年目社員のリアルな密着(事業家のDNA)
https://youtu.be/Xo2nBW4lUp0?si=zl_EihYNOI9IOVtc
【ここが良い!プロの視点】
「広角レンズ」を使ったカットや、手持ちカメラのような映像が差し込まれており、YouTuberのVlog(ビデオブログ)のような親近感があります。プライベートな一面やランチタイムの様子などをテンポよく挟むことで、最後まで視聴させる工夫が随所に見られます。
⑦ LINEヤフー:営業職女性社員の1日
https://youtu.be/Oc1dph_9zQ4?si=ddpIOX9baUBQEY6g
【ここが良い!プロの視点】
カフェスペースや綺麗なオフィス環境を映しつつ、実際の商談振返りシーンなどの「真面目なシーン」とのバランスが絶妙です。「おしゃれに働きたい」という層と「しっかり働きたい」という層の両方にアプローチできています。
2.4 ターゲット別・密着動画で「見せるべき」ポイント
「自社なら何を映すべきか」を考える際、最も確実なのは、採用したい理想の社員(ペルソナ)に近い既存社員にヒアリングすることです。
- 「若手の成長」を訴求したいなら:失敗した時の上司のフォローや、初めて受注した時の現場の熱量を映す。
- 「ワークライフバランス」を訴求したいなら:定時後の過ごし方や、家庭と両立している社員のリアルなタイムスケジュールを映す。
- 「技術力・専門性」を訴求したいなら:黙々と作業に崩頭するシーンや、プロ同士の質の高いディスカッションを映す。
3. 失敗しない採用密着動画の「構成」テンプレート【7ステップ】
良い事例には共通の「型」があります。ここでは、求職者の心を掴むための王道の構成テンプレートをご紹介します。
- オープニング(15〜30秒)
目的: 感情を掴み、続きを見たくさせる。Vlog感のある入りや印象的な一言から入るのが効果的です。 - 主人公紹介(30〜60秒)
目的: 共感を得る。入社年数や「なぜこの会社を選んだか」を等身大の言葉で語ります。 - 仕事の密着シーン(1.5〜3分)
目的: 働くイメージを具体化する。実際の業務風景や現場の音を生かしてドキュメンタリー感を高めます。 - 心情の変化・成長(1〜2分)
目的: 入社後の未来を想像させる。大変だったことや、それをどう乗り越えたかを語ります。 - 会社・チームの価値観(1分前後)
目的: カルチャーマッチの判断。社員の会話から社風を「滲ませる」のが理想です。 - 応募者へのメッセージ(30〜60秒)
目的: 一歩踏み出す後押し。過去の自分に向けた寄り添う言葉が信頼されます。 - エンディング(10〜20秒)
目的: 余韻を残す。退勤シーンとともにロゴや募集要項への導線を表示します。
4. 社員の本音を引き出す「インタビュー質問集」
自然な言葉を引き出すために、以下の質問リストを活用してください。
① 入社前・転職理由(共感ゾーン)
- Q1. 前職ではどんな仕事をしていましたか?
- Q2. 転職を考えたきっかけは何でしたか?
- Q3. 数ある会社の中で、なぜこの会社を選んだんですか?
② 仕事のリアル(業務理解ゾーン)
- Q4. 普段の1日の流れを教えてください。
- Q5. この仕事で「大変だ」と感じるのはどんなところですか?
- Q6. 逆に、やりがいを感じる瞬間は?
③ 人・社風(安心感ゾーン)
- Q7. 職場の雰囲気はどんな感じですか?
- Q8. 上司・先輩はどんな人ですか?
④ 成長・キャリア(未来ゾーン)
- Q10. 入社してからできるようになったことは?
- Q11. 今後チャレンジしたいことは?
⑤ 応募者へのメッセージ(背中押しゾーン)
- Q13. どんな人にこの会社は向いていると思いますか?
- Q14. 応募を迷っている人へ一言お願いします。
★撮影時のテクニック
質問者の声は入れず「回答だけ」を使うとテンポが良くなります。沈黙やふとした笑いもカットせずに使うことで、リアルさが増します。
5. 自社で撮影できる?プロに頼む?制作・編集の重要ポイント
5-1. スマホ視聴を意識した「テロップ」と「テンポ」
- 文字サイズ: 小さな画面でも読めるよう大きめに。
- テンポ: 理想は5〜8分。間延びしないようカットを割ります。
5-2. インタビュアーの役割が品質を左右する
場を和ませ、台本通りの回答ではなく会話の中から本音を深掘りできる人が社内にいるかどうかが、内製化の分かれ道です。
5-3. 撮影には何人必要?
最低でも「出演者」「インタビュアー」「撮影者」「編集者(モニター)」の役割が必要です。リソースが不足している場合は、プロの制作会社への依頼も検討しましょう。
6. まとめ:採用密着動画で「隠れた魅力」を伝えよう
採用密着動画は、企業の「ありのまま」を伝えることで、ミスマッチを防ぎ、本当に自社に合う人材を引き寄せる強力なツールです。
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